昨日から、妻と夏油温泉に行ってきた。夏油と書いて、げとうと読む。アイヌ語の「ゲット、オ」崖を表す言葉が語源らしい。宿泊は、元湯夏油、源泉が7つもある宿で鄙びた湯治宿を思わせる秘湯の宿だった。
昨日と、今朝と7つのお湯に全部入り、温泉を満喫した。ここの温泉は珍しく、川沿いの底からお湯が湧き出し、そのまま湯船を作っているので、源泉掛け流しならぬ、足下湧泉だそうだ。
では、今日は、娘の誕生について書いてみる。
広島に転勤後、妻は不妊治療のため、市内の産婦人科に通っていた。もう子供はできないのかなと思って、自宅も購入したが、引っ越してしばらくして妊娠の知らせがあった。
寂しいので、動物でも飼おうかなと思っていた矢先だった。
妊娠の経過は順調で、定期検診でも問題なく赤ちゃんはすくすくと育っていた。ある時、妻が自宅出産したいと言い出した。おいおいと思ったが、妻なりに考えて助産婦さんとも交流があったらしい。出産は、ほぼ予定通りで、予定日の2月13日の金曜日ではなく、翌日の2月14日の土曜日バレンタインデーに生まれた。13日から陣痛は始まっていたが、初産だし助産婦さんもまだ生まれないだろうと思っていたらしい。お昼前に妻が、風呂に入ると言い出した。お湯は沸かしていたが、後ろから見るとなんだか出て来そうな雰囲気だったので、かけ湯をしてすぐに床に寝ろと声をかけた。妻が湯船に足をかけた瞬間、股からぬるっと何かが出てきた。慌てて手を出した瞬間の感触は忘れられない。手伝いにきていた妻のお母さんに大声で、赤ちゃんが出てきたと叫んだら、これで受けろと洗面器を渡され、洗面器を下に構えたところ、ゴロンと赤ちゃんが出てきた。今考えると超安産だった。
とりあえず、切り離せとお母さんから言われ、ハサミを持ってこいと言われた、どこだどこだと探していると、裁縫箱の中と言われたので、裁ち鋏を持っていった。これは正解だった。ここら辺から切れと言われ、臍の緒の中程をハサミで切ったら、案の定大量の血が流れでた。本当は、ハサミを入れる両橋を紐で結ぶのが正しいがそんなことは知らなかった。ただ場所が、風呂場だったので、大量の血も羊水と一緒にシャワーで洗い流し、事なきを得た。
助産婦さんは、息子さんの結納が午前中にあったらしく、我が家へついたのは、午後になってからだった。赤ちゃんを少し熱めのお湯に浸し、体を洗うと僅かに泣き出した。産湯を使うとはこのことで、その時オギャーと声を出すらしい。助産婦さんが臍の緒を引っ張って胎盤を出してひとまず出産は完了、今日からの育児は助産婦さんが面倒見てくれるらしい、その場で35万円位請求され、急いで引き出しに行ったことを覚えている。その日は、お母さんと無事生まれてよかった、おめでとうとスパークリングワインで乾杯した。
この自宅出産の話は、しばらく話題として使わせてもらったが、女性はみんな興味深く聞いていた。
その娘ももう22歳になる、早いものだ。
ここまで一生懸命書いたので、少し疲れた。今日はこの位にしておく。